最近、世間を騒がせている事故米流通事件。発ガン性カビ毒「アフラトキシンB1」、有機リン系化合物「メタミドホス」、ネオニコチノイド系化合物「アセタミプリド」が含まれているのだけれど、じゃあこれを摂取したら一体どんな症状になるの?と疑問に思って調べていくうちに、驚くべき事実を知ることになりました。
まとめると「アセタミプリド中毒やばい、オレそうかも、特効薬はグロンサン」。長文ですが書き留めておきます。
アフラトキシンB1は史上最強の発ガン物質といわれる強力な毒性を持つ、アスペルギルス・フラバスというコウジカビの一種が生成する毒物(ア=フラ=トキシン(毒))です。もやしもんで一躍有名になった、日本酒や醤油・味噌の発酵などで広く使われているアスペルギルス・オリゼーとは分類上とても近い位置にあるようで、欧米では物議を醸しているようですね。
加熱などの調理では無毒化できないため、食品に含まれてはいけない物質という扱いでして、輸入ナッツなどには10ppb(0.01ppm)以下という規制値が定められています。
毒性については、15μg/kg(15ppb)のアフラトキシンB1を含んだ飼料で飼育されたラットはすべて肝臓がんになったという実験があります。また、マウス実験では1ppbを104週与えて肝がんを発生、15ppb以上の飼料では68週で肝がんを起こしているという別の実験もあります。
■東京都健康安全研究センター 暮らしの健康2005年6月
http://www.tokyo-eiken.go.jp/issue/health/08/08.pdf
■科学用語の基礎知識
http://www.wdic.org/w/SCI/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%88%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%B3B1
ppbとは1リットルの水に0.001mg(1μg)含まれるという濃度で、 ppmはその1000倍の濃度です。報道によると今回の事故米は0.01 ppm~0.05 ppm(10~50ppb)という汚染濃度ですので、これをそのまま実験どおりマウスに与え続けると確実に肝ガンになるわけです。
では人間ではどうか?ということで、人間でのリスク計算をしてみます。
■NATROMの日記
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20080910#p1
上記のサイトで引用されている部分から、
>体重1 kgあたり、一日に1 ngのアフラトキシンB1を一生摂取したと仮定した場合、
>健常者では10万人に0.01人が、B型肝炎感染者では10万人に0.3人が原発性
>肝臓がんになる(年間に)と推定された。
ここを使って、体重60kgの大人が事故米1合=茶碗2杯=180gを毎日食べ続けた場合のリスクを計算します。10ppbの事故米で1日あたり1800ngですから体重1kgあたり30ngです。上記引用内の計算例の30倍というのが気になりますが、健常者で10万人に0.3人がガンになる(年間)と推定される計算結果です。
ただしこれは慢性中毒とも言える長期にわたって摂取した場合のリスクであり、短期的に高濃度のアフラトキシンを摂取すると、急性毒性により中毒死することもわかっています。実際に平成16年、ケニアで高濃度のアフラトキシンに汚染されたトウモロコシを食べたことにより、120人が急性肝炎等の症状で死亡したとの報道もあります。急性毒性については、アフラトキシンのLD50(半数致死量)がウサギで0.3mg/kgであることがわかっていますので、ここから計算してみます。
■アフラトキシンに関するリスクプロファイル
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0708-3g.pdf
体重60kgの人間では18mgとなり、10ppbの事故米は1合で1.8μgですから換算すると10000合つまり1.8トンです。1.8トンはちょっとやそっとでは食べれない…意外です(汗)
もちろん、化学物質には人によって感受性の違いがありますので一概には言えないのですが、1年ちょっとですべて肝がんになるというマウスの実験や、急性中毒で死亡するようなケニアの事件での濃度は、今回の日本の事故米よりもはるかに高濃度だということになるのでしょうか。
なんか釈然としないものはありますが…心配しすぎでしょうか、それとも何かだまされているんでしょうか?
次にメタミドホスですが、こちらは毒餃子事件で一躍有名となった有機リン系殺虫剤で、日本では使用が禁じられています。
サリンと同様の毒性傾向を持ち、Wikipediaによれば経口摂取では嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、流涎、頭痛、めまい、脱力などの症状が現れます(ただしサリンの方が毒性は飛躍的に高いですが)。長期にわたる摂取によって神経障害が後遺症として残る場合があるとのこと。
今回の事故米には0.05ppmのメタミドホスが検出されたものがあります。LD50が30 mg/kg程度であるとの情報がありますので、そこから計算すると36トン。急性中毒の心配はなさそうです。ちなみに毒餃子事件でのメタミドホス濃度は約2万ppm、事故米の40万倍。まさに桁違いの高濃度です。
さて、問題のアセタミプリドです。私は今回の事件で「みんなメタミドホスばかり気にしているけど、一番やばいのはアフラトキシンでは?」と思っていました。しかし調べるうちに、アセタミプリドという物質の現状や危険性、その毒性・症状について知り、実はこれこそ危険なものではないか?と、背筋の冷える思いをしています。
アセタミプリドはネオニコチノイド系に分類される7種類の農薬のうちの1つで、有機リン系殺虫剤が効きにくい害虫にも効果があるという農薬です。昆虫神経のシナプス後膜のニコチン性アセチルコリン受容体に作用するということで、昆虫以外には毒性が低く、植物体への浸透移行性と残効性が高いため、日本では有機リン系殺虫剤の後継として広く使われています。商品名は「モスピラン」です。
9月22日号のAERAでも特集されているそうですが、とにかく日本ではよく使われているとのこと。松くい虫予防のための無人ヘリによる空中散布や、お茶・野菜・果物への残留など、事故米のことを調べていて寄り道したつもりが、実は国産農作物の方がやばいのでは?と思えてきました。
極めつけは、この方のブログ。
SleepingCats(Nixe_ll88さんのブログ)
http://nixediary.exblog.jp/5251552/
ここを起点にして色々調べたところ、次のようなことがわかりました。
・知らず知らずのうちにアセタミプリド中毒になっているかも。
松食い虫などを予防する農薬の空中散布から吸入
緑茶(規制値がとても甘く、高濃度のものもあるらしい)、果物、野菜の残留農薬
・症状は
頭痛、睡眠障害、短期記憶障害、情緒不安定(突然の暴力や無気力)、
心臓の痛み、頻脈、不整脈、血圧異常、
倦怠感、指の震えなど
・特効薬はグルクロノラクトン、すなわちお馴染み「グロンサン内服液」
なんですとー。症状については大なり小なり心当たりがありまくりなんですけど。朝起きようとしても胸が痛くて一気に目が覚めないことがあるとか、なかなか寝付けないとか、たまに指が震えるとか、物忘れがひどくなってきたとか(笑)
で、特効薬がグロンサンってところがツボにはまりました。栄養剤としての効果というより、ダイレクトに解毒効果があるとか。これはネタにしてもおいしすぎる、ってことで、さっそくハイグレードなグロンサン強力内服液を箱買いしてきましたよ。
毎日1本飲んで、症状が軽くなるようでしたらめっけもんです。そしたらまた報告しようと思います。お楽しみに(笑)
※大学時代の友人から指摘をいただき、「アセタミプリド」と「ネオニコチノイド」を混同して使っていた部分を修正し、私の意図が正しく伝わる表現にしました。ありがとうございます。(11/1追記)
■アセタミプリド測定キット(10万円)
http://item.rakuten.co.jp/ricoromama/1-8816-14/
はじめまして。先週、私はエコスピード(ネオニコチノイド系、成分ジノテフラン)というハエ殺し(殺虫剤)を使って急に呼吸困難になり倒れました。病院に行って現物見せて何度説明してもも、やぶ医者は風邪と言い張り注射したが治らずおかしいと思って調べたらhttp://nixediary.exblog.jp/5251552/
にたどり着きビックリしました。
ネオニコチノイドを禁止等何とかしないといけませんね。
私はグロンサンゴールド90錠で試していますが、症状がかなり良くなりましたよ。
ただ、化学物質にまみれた世の中で毎日服用となると高価ですよね?非常に安価というグロンサンの原末が欲しいものです。ところで強力内服液の効果はいかがでしたか?
投稿情報: ゴズ | 2008年10 月 3日 (金) 21:15
ゴズさん、はじめまして。ネオニコチノイド系化合物の中毒症状に関して、まだまだお医者さんのあいだでも理解が広まっていないようですね。これをきっかけにテレビなどで大々的に特集が組まれることを期待しています。
私は大学で農薬学研究室にいたため、今回の件は本当にショックで、まわりのひとにグロンサンをすすめまくっています。
グロンサン強力内服液、2週間ほど毎日1本ずつ服用していますが、かなり体調がよくなりましたよ。
もう十何年も、自分は低血圧でもないのに寝起きが悪い体質なのだと思っていたのですが、グロンサンを飲み始めてからシャキッと起きられるようになりました。無理に起きようとしたときの胸痛もなくなり、嫁さんもホント驚いています。
ただ、これがグルクロノラクトンの解毒効果によるものか、栄養成分(ビタミンB群、無水カフェイン)によるものかはわかりません(笑)
グルクロノラクトンはグロンサンの誘導体ですが、水溶液にすれば速やかにグロンサンとの平衡状態になるとのことですので、グロンサンの原末でなくてもよいと思いますよ。
安い薬局で買えばグロンサン強力内服液でも1本120円で1g入っていますので、味の濃いブドウジュースだと思ってしばらく続けようと思います。
でも嫁さんは、グロンサンを飲んだら吹き出物ができたと言っております。もともと超健康な人なので、栄養が入りすぎてあふれちゃったのかもしれません(笑) ひとによりますね。
投稿情報: まきまき | 2008年10 月 4日 (土) 18:16